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平成27年04月号
上石隆明 その嘘が無くなる事の怪しさは原発事故の起きる前より
あるものがなくなり気づく淋しさは辛夷の花咲きしあおぞら
「脱原発」言葉の先にあるものは生計(たつき)はなくに理想論はや
団塊の世代が好きなデモなるも団塊ジュニアの少なき参加
白け世代言われし我も父になり根性足らぬと後輩諭しぬ
塩竈行
斉藤芳生
返り花のような恋にて北限の多羅葉に託すべき歌もなし
浜ごとに風味異なる生牡蠣のかくてつやつやと並ぶ悦び
ケムシカジカ、通称ボッケおそろしき顔の魚の白身切り分く
不細工なされど美味なるケムシカジカ肥らせて海豊かなるかな
ケムシカジカまるごと揚げて塩をふる塩竈の豪快を愛すべし
みちのくの薄暗がりを我も愛す来国光のしろがねをもて
参拝の一日の我の体温を残してコートやわらかくあり
水野洋一
鴇 悦子